出版社コメント
嫁ぎ先でいびられているなな子は、パートの職場だけが唯一の居場所だった。
ママ友の夫で、職場の上司である忍は愛妻家で有名で、羨ましく思うなな子だったが、ある事件をきっかけに、忍と一線を越えてしまう。
一方、忍の妻の香織は、最近 夫の様子がおかしいことに気がつく。
夫が不倫していたのは、娘のママ友で、夫の職場で働くパートの女――。
不倫をした夫とママ友のなな子に、香織の下した決断とは。
不倫で人生が激変する2人の女の物語。
ちょこっと試し読み
前話までのおはなし
あらすじ&ネタバレ
10話 パパの新しい仕事先
夫・忍の新しい職場であるスーパーに子ども達を連れてやってきた香織。
昔と変わらないちょっと野暮ったさがある感じ…
デザイナーの香織からすると作りこみが甘いというか、改善点が見える仕上がり。
買い物をしながら、今日はパパの開店祝いだねと盛り上がる香織たち。
忍も妻の姿を見つけて声をかけようとするが、打ち上げの誘いに声をかけられる。
妻の許可を取ろうとすると、なんでも妻の許可がいるのかと笑われてしまい、香織に告げずに打ち上げをすることに決めてしまう。
夜になり、ご馳走を前にパパの帰りを待つ家族の元に、やっと忍から打ち上げに参加することになってしまったという連絡が入る。
早く連絡をくれればいいのに…と思ったものの、店長なんだからしょうがないと気持ちを静める香織。
1人で子ども達を風呂に入れ、寝かしつけ…仕方ないと自分に言い聞かせる。
やっと一通りの仕事が終わった時、上機嫌で帰宅する忍。
香織はスーパーのポップについて切り出す。
ちょっと野暮ったいし、私が作ろうか?と申し出るが、忍の脳裏にはポップを一生懸命作るなな子の顔が…。
せっかくの妻の申し出を「いらない」と断るのだった。
今までは少しのことでも頼ってきたのに…
面白くないと感じる香織…。
翌日、商店街で買い物をしていると同じ園の上山さんに声をかけられお茶をすることに。
上山は昔からの夢であるパン屋をオープンすることになり、チラシなどのデザインを依頼したいというのだ。
仕事をもらえて嬉しい気持ちより、この人を応援したい気持ちになった香織。
嬉しい仕事の話も忍には報告していたが、夫の頭には何も残っていないようで上の空。
話の流れで、上山さんから聞いたなな子の家庭の話を出すと思いつめた表情でぼんやりする忍。
その時、パン売り場のポップの話題をもう一度夫に切り出す香織だが、その時だけははっきりした口調で「あれがいいんだ」と言い放つ忍。
落ち込む香織だが、上山さんの仕事も完了し、喜ぶ顔を見て仕事が好きなんだと再確認していた。
感想
仕事のことも含めて認められていると思っていたのに、パートの作った野暮ったいポップの方がいいという夫…。
ただの体の不倫よりも、心を持って行かれる方が辛いですね。
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